ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円

読了。
あとがき曰く上下巻必要級の文章量を1巻分に削ったらしく、全体的に見るとちとまとまりに欠ける。序盤の展開にあまり意味が無かったり*1、倒れたままのセガ人金髪メガネさんに何のフォローも無かったり、白粉が本筋にまったく絡まず暴走の為に出てくるだけだったりとか。
じゃあ駄目なのか?そんなことはない。チーズカツやうなぎが食いたくなる秀逸な弁当描写・半額弁当にかける異様な熱さ…も素晴らしいのだが、P277の最後の一行に完全にやられた。多分、あの馬鹿馬鹿しい台詞を見た瞬間読者の誰もがツッコミ入れるだろうが、そっから先の展開にちゃんと繋がり、不思議な説得力を与えるのである。見事。

*1:一応、負の連鎖の起点ではあるが、削ってしまっても問題ないように思う。